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東日本大震災

被災地を巡る  陸前高田 追悼施設、被災遺構

陸前高田 追悼施設、震災遺構 (1)

前回は奇跡の一本松をご紹介しました。今回は反対側へ行ってみます。

陸前高田 追悼施設、震災遺構 (2)

震災遺構として保存されている旧道の駅高田松原です。

追悼施設はこの敷地内にありますが、犠牲者のための施設なので紹介は省略させていただきます。

陸前高田 追悼施設、震災遺構 (5)

跡形もなく破壊されると当時の津波の威力が分かりにくくなりますが、

陸前高田 追悼施設、震災遺構 (3)

中途半端に残っていると、その破壊力が生々しく伝わってきます。

陸前高田 追悼施設、震災遺構 (4)

陸前高田では復興事業が続けられていますが、人々がこの地で暮らし始める目途は全く立っていません。

ここで思うのは、人々が暮らすかどうか分からない場所で公共事業を続ける意味です。

陸前高田を訪れるまでなら、受益者なき公共事業は無駄だと言い切っていたでしょう。

人の生活している場所の防災設備に充てた方が有効だし犠牲者も浮かばれるかもしれないと。

ですがそれは現場を知らない者の机上の戯言です。

現地のあの空気に触れると、無駄と分かっていても何かしないといけない気分になります。

生活の目途が立たないからと言って、この一帯を放り投げてしまっては犠牲者が浮かばれません。

二度と犠牲者を生まないようにこういう物を作りました、という物を作る事が供養になるように思います。

ここを訪れて、お金の使い道について考え方が広がった気がします。

陸前高田 追悼施設、震災遺構 (6)

明るい色調の花が道路脇に植えられています。

犠牲者が楽しむための花なのか、生き残った者の悲しみを和らげるための花なのか。

道路脇の花に景観向上以外の意味を感じたのは初めてでした。

ご参考


  証言記録 東日本大震災 第一回 岩手県陸前高田市 ~消防団員の見た巨大津波~ [DVD]

被災地を巡る  陸前高田 奇跡の一本松

場所は陸前高田市です。テレビ報道によると津波によって町の一部が流されたといわれています。

私は阪神大震災直後の神戸の現場を見ています。焼失した兵庫、長田の景色は記憶に残っています。

今回見た陸前高田の景色は、あの時の神戸とは全く異質の雰囲気でした。

陸前高田 奇跡の一本松 (2)

山深い農村の景色といったら大体似通ったものですが、陸前高田の被災地に近づくにつれ

日本の農村とは思えない風景が広がっていったのでした。

陸前高田 奇跡の一本松 (3)

山深い一帯に突如現れる広大な更地。人の息吹がまるで感じられない殺風景。

陸前高田 奇跡の一本松 (4)

兵庫や長田の場合、そこには人がいて、「もっかい頑張ろうや。」という空気がありました。

関西の人は明るいですから、苦難に遭ってもへこたれない活力が感じられました。

陸前高田 奇跡の一本松 (17)

ですが今回は全然違います。何せ生活している人がいません。
 
いるのは観光客と復興工事に従事している人だけです。

ですから”工事現場を見に来た観光客”という不思議な景色が広がっています。

陸前高田 奇跡の一本松 (18)

震災から3年経っても当時のまま残されている所があります。

陸前高田 奇跡の一本松 (7)

復興のスピードが神戸の時と比べ物にならないくらい遅いです。

陸前高田 奇跡の一本松 (10)

町の規模が違いますし、国にとっても重要性が神戸と陸前高田では違いますから 仕方ありません。

陸前高田 奇跡の一本松 (14)

ただ、人はいない、壊れた建物はそのまんまというのは、仕方ないとはいえ悲しいですね。

陸前高田 奇跡の一本松 (11)
陸前高田 奇跡の一本松 (13)

朽ち果てた木々の先に黙々と作業を進める工事現場。無機質とも殺伐とも違う景色です。

陸前高田 奇跡の一本松 (16)

至る所に嵩上げ目的の盛り土が見られます。まるで死者を弔う古墳のようです。 

1か所上にのぼれる防潮堤があったので上ってみました。

陸前高田 奇跡の一本松 (19)

太平洋側の景色。向こうから巨大津波がやってきたわけです。

陸前高田 奇跡の一本松 (20)

テレビのニュースで散々放送された川でしょうか。ここを通って津波は町の奥まで襲ったのでしょう。

陸前高田 奇跡の一本松 (21)
陸前高田 奇跡の一本松 (22)

上から見ると陸前高田の町が津波によってえぐられたのがよく分かります。

陸前高田 奇跡の一本松 (23)

平凡でも普通に生活を送れる事に改めて感謝しなければなりませんね。

陸前高田 奇跡の一本松 (5)

さて陸前高田市には奇跡の一本松という観光地があります。大津波に襲われても倒れず残った松の木です。 

陸前高田 奇跡の一本松 (6)

災難に負けず生き残ったという事で、復興と希望の象徴として保護されています。

津波で何もかも流されているので遠くからでも確認できます。

陸前高田 奇跡の一本松 (9)

奇跡の一本松は希望の象徴なのですが、実際見た印象は全然異なります。

志半ばで亡くなられた犠牲者の無念の思いが周辺に漂っているような、とても暗い雰囲気です。

陸前高田 奇跡の一本松 (12)

何でワシらは死ななきゃいけなかったんだ。納得いくように教えてくれよー・・・。

何でなんだー・・・。誰か答えてよー・・・。

風と共にそういう声が聞こえてきそうな気配があります。

犠牲者の疑問に対する答えを 用意できなかったので、怨みを背負い込む前にこの場を離れる事にしました。

ご参考

  なぜ一本の松だけが生き残ったのか 奇跡と希望の松

 奇跡の一本松 (MEG-CD)
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