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奥州藤原氏

世界遺産平泉を巡る  柳之御所

柳之御所遺跡は奥州藤原氏の政務の場とされる場所です。

平泉 柳之御所 (2)

多数の遺構と京都そして海外と交流があったことを示す土器、陶磁器が発見されています。 

世界遺産を構成する5資産に入っていませんが、奥州藤原氏、平泉文化を研究する上で重要な遺跡です。

平泉 柳之御所 (1)
 
近鉄奈良線の西ノ京と西大寺の間で見られる平城京遺跡群に似た敷地が広がっています。

平泉 柳之御所 (3)

気になるのは豊かな経済力を持った平泉がどれくらいの規模の貿易を行っていたかという点です。

奥州藤原氏は、かなり広範囲に渡って貿易を展開していたようでした。

柳之御所跡から中国産の陶磁器が大量に出土している他、後に紹介する中尊寺金色堂には

宋版一切経が収蔵されていることから宋と貿易をしていたことは明らかです。

他にも金色堂七堂螺鈿の巻柱には、屋久島でしか採れない貝殻が使われ、

須弥壇にはアフリカ象の象牙が使用されていました。

この象牙は奥州藤原氏がアラブ系の人と交易していたとする説と、

平泉から船を出してアフリカから仕入れてきたとする説がありますが、

いずれにしても高い交易力があったと言えます。

更に平泉には、当時皇族でもめったに手に入らない犀の角が出土されています。

平泉のもっとも輝いていた時代。

この強大な国力が源頼朝に警戒され、後に頼朝によって滅ぼされる事になるとは

世の無常という他ありません。

ご参考



世界遺産平泉を巡る  無量光院跡

金鶏山、毛越寺、観自在王院跡と来て次は無量光院跡です。

無量光院跡は奥州藤原氏三代目秀衡が毛越寺の付属寺院の位置づけで建立したものです。

三代目藤原秀衡は奥州で産出した砂金を国内外で売り、文字通り奥州藤原氏の黄金時代を築きました。

秀衡は豊かな経済力を背景に朝廷と平家と良好な関係を築き、その一方で源義経を匿い源氏への配慮も

見せる見事な政治手腕を発揮していたとされます。

街も栄え、当時の平泉は京都に次ぐ人口を誇っていました。日本第二の都市ですよ。

因みに黄金の国ジパングという言葉の発祥は奥州藤原氏と言われています。

平泉 無量光院跡 (3)

上の画像は無量光院跡の想像図です。

当時は本尊に丈六の阿弥陀仏や三重塔を建てるなど宇治平等院鳳凰堂を模した寺院と言われています。

また藤原秀衡が先代基衡同様に京都に対する対抗心を燃やしていたと推測される特徴があります。

・平等院鳳凰堂には無い中島(池の中にある島)がある。

・宇治平等院鳳凰堂より大きい建物であった。

・庭園から夕日を見ると金鶏山に沈むようになっていて、浄土思想の世界観を見事に体現していた。

藤原秀衡のロマンがぎっしり詰まった、胸高まる史跡が無量光院跡です。

そうだ京都を真似よう。

そうだ京都を超えよう。

さあ奥州藤原氏黄金時代のランドマークたる無量光院跡はこちらです。

平泉 無量光院跡 (1)

現在の無量光院跡。残念ながらジパング感はありません。

度重なる火災で本尊は既になく、今は土塁などが僅かに残るだけです。

ですがその寂しさが秀衡のロマンそして「もののあはれ」を感じさせてくれます。

平泉 無量光院跡 (2)

無量光院跡の後ろを貨物列車が走る。浄土思想を体現したかった秀衡が見たら激怒でしょう。

最後になりましたが無量光院跡は無料です。

道路沿いの買い手のつかない更地みたいになっているので見過ごさぬようご注意ください。

この後は平泉黄金時代に政務が行われていたとされる跡地へ行きました。

世界遺産構成5資産のうち4つを回りましたが、この時点でまだ11時前。早起きは三文の得ですね。

というか殆ど寝ていませんが。


クリックすると外部サイトへ移動します。 

ご参考

世界遺産平泉を巡る  金鶏山

前回のエントリーで世界遺産平泉の礎を築いた奥州藤原氏についてご紹介しました。文字ばっかりで読みにくかったと思います。今回は写真たっぷりでお届けいたします。

今回ご紹介するのは金鶏山です。きんけいざんと読みます。

平泉 金鶏山 (1)

金鶏山は世界遺産を構成する5資産のうちのひとつで、標高約200mの小高い丘のような山です。

名前の由来は奥州藤原氏二代目の藤原基衡が金で作った雌雄の鶏を山中に埋めたとする説が通説です。

平泉 金鶏山 (2)
平泉 金鶏山 (3)
平泉 金鶏山 (4)
 
あちこちに金鶏山の名前の由来を説明する看板があり、どの看板も似たような事を書いていました。 

また金鶏山に経塚が確認されています。

経塚とはお経を埋めて土を盛った場所をいい、その目的は時代により異なります。



藤原基衡の時代においては浄土思想の中で個人の祈願成就を目的として行われていたようです。

浄土思想とは阿弥陀如来を信仰し、西方極楽浄土に往生する事を目指す思想をいいます。

基衡は何を祈願したのでしょうか。自分が極楽浄土へ行ける事でしょうか。

のちに紹介する無量光院跡は浄土思想を具体的な形として表現した建造物で、

そのカギを握るのが金鶏山です。つづきは無量光院跡のところで。

話は変わり、金鶏山には様々なものが祀られています。

平泉 金鶏山 (5)

平泉 金鶏山 (6)

金鶏山の入り口に千手堂と呼ばれるお堂があり、そこには看板に書いてあるように

一、 御本尊千手観音


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一、 弁財天尊(十六童子)


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一、 藤原三将軍の御位牌

一、 藤原秀衡公の木像

一、 愛染明王の像

一、 不動明王の像


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が安置されています。※写真に写っている物自体が安置されているわけではありません。

平泉 金鶏山 (7)

ご覧のようなコンパクトサイズのお堂に沢山のものが安置されています。

平泉 金鶏山 (8)

平泉以外にも岩手県内で立ち寄りたい所が色々ある事、昨日から殆ど寝ていない事を理由に

この日は金鶏山に登っていませんが、平安時代の領主が領民統治の為に何を願っていたのか等

平安史に関する知識が深まりそうなので、平泉をメイン訪問地とされる方には登山をお勧めします。

平泉 金鶏山 (10)

上の道しるべにあるように入ってすぐの所に義経関連のお墓があります。

平泉 金鶏山 (11)

源義経公妻子之墓 。

平泉 金鶏山 (12)

元々別の場所にあったのですが、管理しやすいように移動させたとの事です。

平泉 金鶏山 (9)

義経公は光となったとかモンゴルへ行ったとか不思議な言い伝えが残っています。

 ということで(?)ここには母と子のみ祀られています。

平泉 金鶏山 (13)

金鶏山登山道はまだ続きますが、ここで引き返し、次の目的地へ向かいました。

ご参考

 仏像ワールド


奥州藤原氏について思い出してみる。

盛岡競馬場へ行くドライブの旅の寄り道先として世界遺産のまち平泉に行ってきました。

世間一般では平泉がメインで盛岡競馬場がオマケでしょうが気にしてはいけません。

さて、平泉は姫路城や富士山のように一つの史跡、山で世界遺産に指定されたわけではありません。

平泉にある 5つの文化財を足し合わせて世界遺産に認められました。

姫路城と富士山が柔道の一本勝ちなら平泉は効果を5つ取って合わせ技一本といった格好です。

世界遺産の構成5資産は中尊寺以外は初耳です。管理人が無知なだけかも知れませんが。

・中尊寺

・毛越寺

・観自在王院跡

・無量光院跡

・金鶏山

文化遺産は歴史を予習した方が面白いので、簡単(=雑)に奥州藤原氏について触れたいと思います。



初代奥州藤原氏は藤原清衡と言われています。

それまでの藤原家は、清衡の父・経清が陸奥国の豪族安倍氏の手下として働いていました。

前九年の役で安倍氏が滅ぼされ、経清は戦犯として死刑になりました。

経清の妻(=清衡氏の母)は敵方清原武則の息子・清原武貞と再婚し清衡は死を免れます。

その後清原家の養子になった清衡ですが、清原家の領土問題に巻き込まれます。

清原武貞の息子の真衡、家衡らと争う事になりますが源義家の介入等で清衡が勝ちます(後三年の役)。

その結果養子の清衡が清原家の所領を継承する事となり、その際に姓を藤原に戻します。

これが奥州藤原氏の始まりと言われています。

これまで藤原家は地元の権力者安倍氏と清原氏に頭が上がらなかったわけですが、

彼らが相次いで朝廷側に滅ぼされ藤原氏に権力が転がってきた格好です。

少し話がそれますが、信長と秀吉がいなくなって天下が転がり込んだ家康と重なります。

話を戻しますと、その後の藤原清衡は朝廷と良好な関係を築く事に努めました。

そのため戦が起きなかった奥州の地は大いに栄えました。

ここから話は二代目に移るのですが、二代目基衡は父清衡と逆に朝廷に対して強硬な姿勢を取りました。

これは当時の中央の権力者藤原頼長が荘園領主の立場にかこつけて無理難題を要求してきたため

といわれています。

平安時代は荘園制の下、農業経営の優れた地方の地主が賄賂等で国司を抱き込み

朝廷や貴族に対して強気になれた時代でした。

中尊寺は初代清衡、毛越寺と観自在王院は二代目基衡、無量光院は三代目秀衡が作ったと言われています。 

この後のエントリーで見ますが、奥州藤原氏の京都に対する憧憬と対抗心が建物デザインに表れます。

ご参考
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